ダイナミックにフィギュアせよ!

ダイナミックフィギュア」読了。
ダイナミックフィギュア(上) (ハヤカワ文庫JA) ダイナミックフィギュア(下) (ハヤカワ文庫JA)
もとじが異常に面白く話しをするので借りてみた。
現在と微妙な地続きの近未来のお話で、概念とか世界観とか宇宙からの飛来物とかロボットの扱い方とか異形の進化の仕方とか戦い方が牡と牝で違うとか、うん面白い。
けど、分厚い上下巻の上に微妙に文章が読みにくい。
場面が変わった時に、セリフで唐突に始まる事があるんだけど誰が言ってるのか分からない。(数ページ読み直したり少し読み進んでやっと分かったり)
最初は丁寧に長丁場を書いてあるんだけど、最後の方はエピソードがブツ切り。
わりと困難な本でした。
だもんで、法事で疲れたり第2次ホームズ祭り(私的)が始まったりしたので中断してたんす。
んで面白かったトコ、巨大ロボの操縦法が2つある。
アニメとかでよく見る、実際に乗り込んで操縦する(コクピットは頭部。すぐに破壊できるように)主系ってやり方もあるんだけど、従系っつって遠くの母艦から遠隔で操作する方法もあるのね。
あと彼等を支援するクルー達の個人的なエピソードとか、戦う前の政治的なアレコレとか、もちろん、敵のアレコレも面白い。
敵が作った地球の遙か上空を一周するリング状の物体が、その真下の地域の人間の心の声をさらけ出すっていうのがあって、言ってみればそのリングの下にいる人全部、一時的にサトラレになっちゃう。
しかも、自分の心がダダ漏れになる上に、他人のダダ漏れの心が容赦なく入ってくるというの。
これに大抵の人は耐えられなくて、リングが頭上を通る時間、人々は誰もいない所で過ごす。
なんていうか、心が繋がる時間が一番孤独という二律背反!(面白い!とも思うんだけど、ナンダロウこのしっくり来ない感じは)
そんで、もとじが主人公の彼女(ヒロイン?)が嫌いかもしれないよと言っていたけど、嫌いというか、あまりにも魅力がなくてびっくりだよ!(個人的な感想です)
あの女の子と主人公のお母さんの魅力の薄さ!にびっくり!(個人的な感想です)
まー他の女性キャラが強すぎるからかもしれないけどさ(組長の娘とか女空海とか)。
あー、あと荒廃した世界で美術系の仕事が激減的な設定なのに、主人公ロボにペインティングておかしくない?
ペンキの量も半端ないし、整備士の他にペンキ屋雇うって、予算降りないと思うんだが。
ストーリー的に重要なのは分かるけど、金銭的なこともリアルっぽく書いてあるのでちょっと引っかかった。
でまぁ、最後の方、たぶんクライマックス、感動的にしたかったんだろうけど主人公にも彼女にも感情移入も出来ず…うーん?と想いながら読んでたら…ってなんぞそれ!
私は笑った!
なんというか、ちょっと、こっぱずかしい。
なんか、付き合ってた男が急にポエムを捧げてきたみたいな。
何か独りで盛り上がって自分に浸ってるっていうか。
いや、全体的には面白いのよ。
全体的にはね。
でも今ひとつスッキリ出来ない部分もあるんだよね。